by Vaping360
電子タバコから発ガン性物質が検出された?
こんなニュースを目にした方も多いと思いますが、
本当に電子タバコには発ガン性物質が含まれているのでしょうか?
なぜこういったニュースが報道されたのか、この記事で解説します。
発ガン性物質とは?
2015年05月に厚生労働省が発表した内容では、
国内に流通している電子タバコリキッド9銘柄中4銘柄で
『発ガン性ホルムアルデヒド』が検出されたと書かれています。
これは、紙巻きタバコと同等かそれ以上の値が検出されたものもあるようです。
発ガン性物質の正体は、ホルムアルデヒドです。
ニコチンも検出された
また25銘柄中11銘柄では、ニコチンが検出されたとのことです。
ただしこちらは紙巻きタバコの約1000分の1程度なので、
ニコチン入りリキッドと同じラインで製造したため、混入したものと思われます。
日本ではニコチン入りリキッドは作られていないので混入することはありませんが、
ニコチン入りとニコチン無しのリキッドを同じ工場で作っている海外製品では起きてしまいます。
リキッドの原料
電子タバコのリキッドの原料は大きく分けて2つ、
PG (プロピレングリコール)とVG(ベジタブルグリセリン)です。
そのどちらか、または両方を混ぜたものに、フレーバーの元となる香料を混ぜて作ります。
聞きなれないかもしれませんが、PGは低用量では毒性が低く保湿性、防カビ性に富むため、
医薬品や化粧品として使われている他、麺やおにぎりなどの食品に塗られたりしています。
またグリセリンも医薬品や化粧品、食品添加物としてチューインガムに含まれているなど、
低用量では非常に毒性の低い物質です。
もちろん大量に摂取すれば多少は体に影響はありますが、それは何でも同じです。
(水でさえ大量に飲むと、水中毒で最悪死亡する場合もあります。)
なぜ発ガン性物質が検出されたのか?
では、このようにシンプルな原料しか使っていない電子タバコのリキッドから、
なぜホルムアルデヒドが検出されたのでしょうか?
実は有識者の間では、リキッドではなく本体側に問題があるのではないかと言われています。
リキッドは、アトマイザーというタンク部分に入れて、コイルで熱して気化させます。
その部品は金属製なので削って作られるのですが、金属は削ると熱くなり削りカスが出ます。
これを防ぐために切削油というオイルを流しながら削るのですが、
実はそのオイルにホルムアルデヒドが含まれていたのです。
粗悪な中国の製品などでは、製造後にこれらのオイルをきちんと洗い流さず出荷することもあり、
そのせいで電子タバコの水蒸気と混じってホルムアルデヒドが検出されたと考えられています。
つまり、リキッドに含まれていたのではなく、本体側に付着していたのです。
ホルムアルデヒドを混ぜるメリットがない
そもそも、リキッドはPG、VG、香料という非常にシンプルな原料で作れます。
これにホルムアルデヒドを混ぜると原料コストも上がりますし、製造工程も1つ増えます。
あえてホルムアルデヒドを混ぜるメリットが何一つないのに、するでしょうか?
答えはNOですよね。ただし、粗悪な製品には意図せず混入している可能性が高いことは事実です。
体に入れるものだから、日本国内で製造された信頼できるリキッドを使いましょう!
証明書があるリキッドの方が安全なの?
電子タバコメーカーの中には、第三者機関により調査をした証明書を公開しているところもあります。
こういった証明書がある方が安全なのでしょうか?
実は、必ずしもそうとは限らないのが現実です。
証明書の内容が嘘だとか偽造だというわけではなく、電子タバコメーカーの中には
リキッドにホルムアルデヒドが入っていないことが当然と知っていて、
パフォーマンスのために証明書を発行しているところもあります。
各メーカーがそういったパフォーマンスを行うと、
「発ガン性物質が入っているリキッドもあるの?」とユーザーは誤解します。
誤解をさせたまま自社の利益のためだけにパフォーマンスを続けると、
電子タバコ全体のデメリットになるのではないでしょうか?
そういった懸念をして、あえて証明書を取らないというメーカーもあります。